N経済研究所

海底の奥深く 財宝は静かに横たわる

Tuesday, February 14, 2006

鉄火場

 見渡す限り下劣な人間が集まっている。その中に若い青年の自分が存在するというのが全くもって信じられないが、現実は甘いものではなく、しっかりと私はそこに存在し呼吸をしていた。我思う故に我有り。
 私だけはお前らとは違うと自分に言い聞かせ背筋を伸ばして歩く。目の前では65歳程度に見える52歳の労務者が捨てられたプラスティック容器に残されたすいとんの汁を屈んで啜っている。目つきは相当に卑屈でありぼさぼさになった白髪頭は哀れな程であった。
 いつもの決められた席にゆっくりと腰を下ろすと、上の席から何やら大声で話す如何様野郎の声が耳に入ってくる。「今日のKはヤラネェよ。あいつは選手じゃねぇ。こっちのモンに脅されて縮み上がってんだ。」
 選手はレース数日前から宿舎に入れられ通信機器は取り上げられる。しかしこの最低の場所では何が起こっても不思議でない事は確かであった。盗み、薬、暴力、表向きは腰痛の為、諸般の事情とされつつも話は耳に入ってくる。
 「おい!ありゃなんだ?」突然隣の男が話しかけてくる。指をさす方向を見ると、遠目に見る限り美人の女が非常にだるいという風情で立っている。手に花束を持って。
 デビューから現在99勝中である選手のオッズが徐々に下がり始める。22倍・・・17.3倍・・・12.6倍・・・
 高鳴る鼓動を抑えるように出来るだけゆっくりと投票所まで歩き、私の金では無いのだと自分に言い聞かせ3-1、3-2とマークシイトを塗り潰す。11.8倍・・・9.2倍・・・7.4倍・・・6.2倍・・・私はただただ他人事の様にオッズを眺めていた。

 

2 Comments:

Anonymous Anonymous said...

ヒルズ君がこのHPに
INしたお!(・∀・)ノ

7:45 AM  
Anonymous Anonymous said...

やっほーいらっしゃいませ
お客さま第一号です

PCからじゃないとかけないからあまり更新は無いかもだけどよろしく

N

3:41 PM  

Post a Comment

<< Home